病院の消防管理
病院にも消防設備があります。
当たり前ですが、入院されている患者さんを守る為にも消防設備を保持していかなければなりません。
で、病院で行う消防管理ってなにがあるのか
・防火権原者・防火管理者の専任
・消防設備維持管理業務
・消防訓練の実施
・日常巡視点検
以上の内容になります。
これだけ書くと簡潔なんですが、実際にやるとなると結構めんどくさいんです。
・防火権原者・防火管理者の専任
防火権原者はその建物の所有者、つまり病院では院長先生になります。
権原者から指名され、実際の防火管理にあたるのが防火管理者です。
よく事務長さんなどがこれにあたるのですが、退職されたなどで
防火管理者の選任がよーく抜けおちてることがあります。
これは逐次届出を出せばよいのですが、めったに出さない(しょっちゅう出すことになることもありますが…。)届出なので注意しなければなりません。
・消防設備維持管理業務
消防法では年1回の総合点検をやることが義務付けされています。
これは消防設備管理会社へ依頼し、消防に係わる機器や器具が正常に稼働する状態を維持できているかを年1回点検し所轄消防署へ届出なければなりません。
※ちなみに医療監視といって医療法の立ち入り検査では消防設備点検は年2回やりなさいとなっています。(’д’)<紛らわしい
もちろん。その点検で不備事項があれば即時改修を行わなければなりません。
ただ、これをやっておけば消防設備において異常な状態を放置することはなくなるためやっておかなければなりません(イレギュラーな故障などはあるんですが、点検をやってて起こる故障と、やってなくて起こる故障とは意味が違います。)
・消防訓練の実施
病院で一番めんどくさい大切な防火管理です。
実施する項目としては
・通報訓練
・消火訓練
・避難訓練
これら3つを同時に行う総合訓練を年2回行う必要があります。
これの準備や、注意事項はこれだけで一つの記事になるので、また今度書きます。
・日常巡視点検
これ、意外と当たり前なんですがよーく抜ける項目だったりします。
毎日やるのがほんとにめんどくさい
防火管理者もしくは指示を受けた者が行うのですが、毎日やらなければなりません。(始業時点検・終業時点検、24時間稼働している病院は定時的に実施)
項目としては、避難経路に障害物がないか、避難誘導灯など灯火類が正常に点灯しているか。これらを帳票化し記録保存しておく必要があります。
特に病院は現場(病棟)がどたばたと忙しく、効率化を求める場所です。
なので、防火扉の開閉する場所にカートや物を置いていることがありますので、これを常に指摘し、改善を促す必要があります。
「ここは防火扉が閉まる際に障害になりますので物を置かないでくださいね」
『いや、ここにないとめんどくさいんです!』
「そうですね、でももし火災が発生して、このカートがおいてあることにより防火扉が閉まらず、煙が流入し患者さんが一酸化炭素中毒で死亡する可能性があります。めんどくさいとおっしゃいましたが、その可能性を許容することができないことは理解していただけますね?」
だいたい、このお話をして理解されない方は、ほぼいません。
防火管理業務は日常ではなく非日常が起こった際にどう動くかを常に考える仕事です。
また、この業務を行うエビデンスの消防法も改正されたりと、お金と人が動く内容ではあるので、担当される方の大変さは計り知れません。
もし誰かの目に留まったのであれば、協力してあげてください。マジで。